つるるんとんに吹き込む“風の音”
くもり男は疲れ切った体で、つるるんとんの前に立っていた。
ふと目に入ったのは、入口の「勇気のライオン」。
——大丈夫。今日もあなたらしくでいい。
その瞳に背中を押され、くもり男は扉を開けた。
「いらっしゃいませ。」
るんちゃんの優しい笑顔に迎えられ、
彼は「整う美肌ケアコース」を選んだ。
風のような水流のシャンプー。これは「風のシャンプー」だ。
頭だけでなく胸の“モヤ”まで軽くしていく。
——俺、こんなに疲れてたんだ。
カットでは、つる君の赤い櫛が心まで整えていく。
“魔法の白い粉”は髪の影を浮かび上がらせ、
くもり男の気持ちの陰までそっと整えた。
続くプチヘッドスパでは、
指先がこめかみを包んだ瞬間、
肩や首の重さがほどけていく。
——気持ちいい…じゃなくて、救われてる。
お顔剃りでは、蒸しタオルの温もりが
「もう頑張らなくていいよ」と囁くようだった。
刃が動くたび、心の霧まで晴れていく。
鏡に映ったのは“晴れ男”になった自分。
目には勇気のライオンと同じ光が宿っていた。
——また来よう。ここは、僕が晴れ男に戻れる場所だ。